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ポジショニング事例01/掃除機:dyson(ダイソン)

ポジショニング事例01/掃除機:dyson(ダイソン)

みんな夜露死苦、Taiki&JumpeiのTaikiだぜ。
突然だが、Taikiは掃除が嫌いだ。当時実家にあったTaikiの自室は、書類が散乱し足の踏み場がなく、書物が積みあげられたとても人には見せられない状態であった。良く言うならば、時間を忘れて研究に精魂凝らす鬼才学者のラボラトリー。悪く言えば、いい歳した男の汚い巣。
何が言いたいかというと、みんなは掃除が好きだろうか?ちなみにTaikiは、世の中の半数以上は掃除が嫌いなんじゃないかと思っている。

さて、この記事ではポジショニング事例をアウトプットしていくぜ。
今回は「吸引力の変わらないただ一つの掃除機。」として世の中に浸透し、掃除機界に変革を起こしたdyson(ダイソン)をポジショニング事例として取り上げるぜ。

 

人の頭の中に独自のブランドポジションを築きあげるため、商品ベネフィットから生み出す【左脳】への納得感と、【右脳】への共感の両面を持ち合わせて”少し新しい切り口”を創出する。デビット・アーカー氏の商品ベネフィットの観点から、ブランドポジションをベネフィットフレームワークを用いて整理していくぜ。

ベネフィットフレームワーク
詳しくは、ポジショニングの重要性や、このブログでの事例のアウトプットの方針、見方、使い方について、以下の記事をご覧いただけるとマンモスうれぴーぜ。

「関連記事:ポジショニング事例について/重要性とアウトプットの見方・使い方 - マーケティング事例だけのブログ」

ポジショニング事例/掃除機:dyson(ダイソン)

dyson(ダイソン)について

dyson(ダイソン)ロゴ
ポジショニング事例のアウトプットに入る前に簡単にdysonに触れておくぜ。
dysonは1993年設立以来、掃除機をメインプロダクトとして革新的な製品を出し続けている。
創業者のジェームズ・ダイソン氏は自社をエンジニアリング・カンパニーと自負しており、2016年には英国の研究開発の拠点を10倍に拡張すると話し、将来的なテクノロジー投資を実施することを明言している。売上高研究開発費比率は約12%と製薬会社並みの比率。ちなみに、世界最大手の製薬会社のファイザーの売上高研究開発費率は2015年で15.7%、日本の武田薬品工業は19.1%。同じ電気機器メーカーのSONYが5.8%でPanasonicが6.0%ってところをみれば、いかにdysonがエンジニアリング・カンパニーとして研究開発に気合いを入れているか分かるよな。
それじゃあ、dysonの掃除機が持つブランドポジションを整理していくぜ。

dyson(ダイソン)事例のアウトプット/ベネフィットフレームワーク

ベネフィットフレームワークの「情緒ベネフィット」と「自己表現ベネフィット」は、商品を入口に考えてしまうと生み出すことが難しくなってしまう。だから"Human First"で考えていくべきだ。ターゲットはどんなことを求めているのか?またはどんな悩みがあるか?
これらに対して、ターゲットを満たすことのできる商品ベネフィットは何か?といった考え方だ。だからこのベネフィットフレームワークを作成する際は、ターゲットを定めてからスタートするぜ。定めるターゲットによってアウトプット、商品の提供できる価値が変わってくるんだ。今回は以下のターゲットを想定するぜ。

 

  • ターゲット:30-40代既婚男性
dyson(ダイソン)機能ベネフィット

部屋で掃除機をかけている。そのすぐ横で、スヤスヤと深い眠りにつく赤ちゃんがいる。昔こんなテレビCMが流れていた記憶はないだろうか。このCMでは、それまで掃除機の騒音が悩みであった生活者に対して「静かに掃除ができる」という機能ベネフィットを訴求している。
dysonの掃除機はこれに逆行した。あの超有名コピー「吸引力の変わらないただ一つの掃除機。」とももに、まるで宇宙船のようなメタリックフォルムの掃除機が突如日本に飛来した。一回使えば分かるが、dysonの掃除機は本当に音がデカい。今でこそ当たり前になっているが、サイクロンテクノロジーの掃除機だからうるさかったのかな。おまけに製品価格はかなり高額なもので、それまでの掃除機では考えられない値段だ。dysonの掃除機はそれまでの他社の掃除機とは全く異なる攻め方をしている。

まず、dysonの掃除機は「サイクロンテクノロジーによる吸引力が変わらないことで掃除がはかどる」という機能ベネフィットがある。

dyson(ダイソン)情緒ベネフィット

少し昔の話をしちゃってもいいか?
2008年は家電業界全体に変化が起こった年だとTaikiは考えている。それは同年3月に放送されたテレビ朝日のトーク番組「アメトーーク!」での家電芸人の回、土田晃之やペナルティのヒデの芸人たちによる熱い家電製品トークが変化の発端となった。お笑い芸人がテレビや音響機器などの娯楽家電だけでなく、電子レンジや空気清浄器などのいわゆる”白物家電”について語る番組内容は反響を呼び、店頭の製品を一時品切れ状態にするという流通まで動かすインパクトを生み出した。憶えているだろうか「家電芸人」のワードは、翌年2009年にユーキャン新語・流行語大賞にまでノミネートされた。
この一連の出来事は、家電量販店にさらなるテーマパーク性を持たせ、中年男性が白物家電を語ることで男性と家事の距離が一気に縮まる変化を起こしたのではないかとTaikiは思う。そしてこの変化の中で、しっかりと掃除機も語られていったんだ。これは、dysonと男性をより近づける起爆剤になったんじゃねえかな。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41xnP29zgVL.jpg

掃除機としては見たことのなかったフォルム。そう、”掃除機としては”見たことがなかった。
が、ターゲット:30-40代既婚男性は他の場面で見たことがあったはずだぜ?
SF映画に出てくる宇宙船のようなフォルム、昔憧れていたヒーロー戦隊のロボットのようなフォルム。ロマンを感じるようなこのフォルムは、掃除機に対して「これはすげーんじゃねのか?」、「dyson半端ねぇだろ!」という期待感を醸成してくれる。

dysonの掃除機の情緒ベネフィットは「近未来的なフォルムからくる期待感」だろう。

dyson(ダイソン)自己表現ベネフィット

そしてこの期待感は何を生み出すか、どんな行動喚起を引き起こすか。
それは、「早く家で使ってみたい!早く掃除がしたい!」ではないだろうか。
この衝動により、初めて掃除嫌いが重い腰を上げる。

家庭を持つ「30-40代既婚男性」、子持ちの家庭も多い。将来を見据えた貯蓄も考え、共働きの世帯も増えており基本的に忙しい毎日だろう。家事はどのような分担になっているだろうか。掃除はかなり億劫なものになっているはずだ。冒頭でも触れたが、そもそも掃除が嫌いな人は半数を超えるだろう。
掃除嫌いの自分が、前向きに「早く掃除がしたい!」という衝動に駆られる。そんな状態になっている自分は誇らしく、自分自身を律して弱さに打ち勝つことができている。そんな自分って、スマートで想い描いている理想的な自分なんじゃねえか?

dysonが、これまでの掃除機の常識を大きく変えている点としてTaikiはこう考える。
dysonが一番変えたこと、それは「ライフスタイルをカッコよくした。」つまりは、掃除は生活の一部であり、面倒なものであり、嫌いなもの。これをカッコよくするということは、ライフスタイルそのものをカッコよくするということに繋がっているはずだぜ。

dysonの掃除機の自己表現ベネフィットは「スマートなライフスタイルを送ることのできる俺」。

掃除機:dyson(ダイソン)のベネフィットフレームワークから見えてくること

アウトプットしてきた商品ベネフィットをベネフィットフレームワークにまとめる以下だ。

ベネフィットフレームワーク:dyson(ダイソン)

今回は既に世の中で価値を発揮しているdysonの掃除機を事例としてアウトプットした。
そして、俺たちがブログで生み出す事例の価値は2つ。

  1. 事例は、自分にはない物事を見る新たな視座を増やし、新しい価値を見つけ出す可能性を与えてくれる。
  2. 事例は、アレンジすることでビジネススピードや初速を上げてくれる。

掃除や掃除機はそれまでスマートでもなく、クリエイティブなものでもなかった。dysonはここにメスを入れた。
今回の事例を概念化すると以下のようになると考える。
今まで単なる作業だったこと(掃除)を、理想のライフスタイルに近づく過程にする。

 

じゃあ、これと同じようなことを掃除や掃除機以外でできないものか。

Taikiはできると信じているぜ!
「洗濯でできないか?睡眠でできないか?」
「いや他にも、アイロン掛けでできないか?読書でできないか?」
dysonのように革新を起こす余地は他にもたくさんあると思うんだぜ。

 

dysonは既に同様の革新を起こしている。掃除機から生み出された情緒ベネフィットや自己表現ベネフィットは、そのまま扇風機やドライヤーにスライドされた。dysonには、ライフスタイルに革新を起こす企業というイメージが人々の頭の中に定着し、もはや業界内における機能ベネフィットでの差別化の戦いではなく、独自のブランドポジションの土俵へと移っている。

ここまで考えてみると、dysonの掃除機の爆発的な大ヒットの裏側は、サイクロンテクノロジーなどの機能ベネフィットからくる納得感だけでなく、情緒ベネフィットや自己表現ベネフィットからの共感もその要因であったと分かってくるよな!

最後に

今回もお疲れっす。俺たちTaiki&Jumpeiの記事、そしてアウトプットした事例はどうだった?

こんな具合にバンバンとアウトプットしていくからよ!
だから俺たちのアウトプットはみんなに見て欲しい。そしてディスって欲しいと思っている。
それが俺たちのスキルアップの根源となって、このブログの質をどんどん上げてみんなのためになる好循環を生んでいくんだぜ。
俺たちはみんなのディスりを愛として受け止めていくし、共に高めていくスタンスで挑んでいくからよ。俺たちが考え出したアウトプット事例をすぐに見てやる!という方は読者登録Twitterへのフォローを夜露死苦お願いするぜ!

みんな、掃除はこまめにするんだぜ!引き続き夜露死苦な。