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ポジショニング事例03/ホテル・温泉旅館:星野リゾート

ポジショニング事例03/ホテル・温泉旅館:星野リゾート

 みんな夜露死苦、Taiki&JumpeiのTaikiだぜ。

突然だが、Taikiは昭和が好きだ。歴史ある銭湯や純喫茶、味のあるレトロな家電やポスターなど、これら見るとなんとなく良いなって思うんだぜ。映画『ALWAYS 三丁目の夕日』あの映画で描かれている世界観のどこかノスタルジックな空気に憧れや羨ましさをおぼえてしまう。

もちろん、Taikiはあの時代を生きたことはない。映画で描かれているものが綺麗な部分を切り取った昭和であることも理解している。あの時代を生きた人にしか分からない苦労もあったに違いない。でも、そんな昭和の時代に対して「今もいいけど、あの時代も生きてみたかった。」と魅力を感じるんだぜ。

何が言いたいかというと、今を生きる人と昔生きていた人ではどっちの方が幸せなのだろうか?これは本来比較するものではないだろうが、それぞれの時代に良し悪しはあるはずだ。

さて、この記事ではポジショニング事例をアウトプットしていくぜ。今回は、リゾートホテルや温泉旅館で知られる星野リゾートをポジショニング事例として取り上げるぜ。

人の頭の中に独自のブランドポジションを築きあげるため、商品ベネフィットから生み出す【左脳】への納得感と、【右脳】への共感の両面を持ち合わせて”少し新しい切り口”を創出する。デビット・アーカー氏の商品ベネフィットの観点から、ブランドポジションをベネフィットフレームワークを用いて整理していくぜ。

ベネフィットフレームワーク

詳しくは、ポジショニングの重要性や、このブログでの事例のアウトプットの方針、見方、使い方について、以下の記事をご覧いただけると俺たちの伝えたいことがより理解できると思うんだぜ。

「関連記事:ポジショニング事例について/重要性とアウトプットの見方・使い方 - マーケティング事例だけのブログ」

ポジショニング事例/ホテル・温泉旅館:星野リゾート

星野リゾートについて

星野リゾート ロゴ

星野リゾートは、日本全国でリゾートホテルや温泉旅館を運営し、その独自のコンセプトや洗練された施設空間が好評を呼ぶ人気の旅先スポットとなっている。星野リゾートの星野佳路社長がテレビなどに度々登場し、その経営ノウハウを語る姿をよく見ることもあって、ホテル業界では比較的新しい企業という印象を持っている方も少なからずいるだろう。しかし、実は星野リゾートは2018年で創業104年の老舗企業である。90年代に星野佳路氏が社長に就任した後、破たんした旅館を次々と再生。「現代を休む日」というコンセプトで展開される星のや軽井沢などの星のやシリーズや、雲海テラスで有名な北海道トマムにある星野リゾート・トマムなど新たなブランド施設も提供している。ちなみにTaikiは一度だけ、青森にある星野リゾート施設を利用したことがあるが、食事の際にねぷた祭りの演出があってめっちゃ楽しかったぜ。

ポジショニング事例のアウトプット/ベネフィットフレームワーク

ベネフィットフレームワークの「情緒ベネフィット」と「自己表現ベネフィット」は、商品を入口に考えてしまうと生み出すことが難しくなってしまう。だから今回ももちろん"Human First"で考えていくぜ。ターゲットはどんなことを求めているのか?またはどんな悩みがあるか?

これらに対して、ターゲットを満たすことのできる商品ベネフィットは何か?といった考え方。だからこのベネフィットフレームワークを作成する際は、ターゲットを定めてからスタートするぜ。定めるターゲットによってアウトプット、商品の提供できる価値が変わってくるんだ。今回は以下のターゲットを想定するぜ。

 

  • ターゲット:20代独身

星野リゾート 機能ベネフィット

星野リゾートの特徴は、施設に明確な世界観があることだ。各施設には、その地域のテーマに沿ったデザインの外装や内装が施され、旅の間はその世界観が途切れることなく楽しむことができる。これは食事やアクティビティ体験でも同様のテーマで楽しめる内容が用意されている。

星野リゾート ホテル・温泉旅館

さらに、その世界観に引きづりこむ仕掛けとして、施設の部屋にテレビが設置されていなかったり、スマホなど現実世界に戻してしまうようなアイテムを施設に預けて宿泊する脱デジタル滞在プランなども提供している。デジタルデトックスをコンセプトとしたアクティビティは、以前からアメリカでは人気があり、現代特有のサービスだと言える。宿泊客に対して、上質な滞在時間を提供していくためにとことんこだわっていくことで、現実を忘れさせてくれる癒しの時間を得ることができる。

星野リゾートには「現実を忘れて究極の癒しの時間を過ごせる」という機能ベネフィットがある。 

星野リゾート 情緒ベネフィット

俺たち20代は、人生半分を携帯電話やスマホと共に過ごしている。デジタル世界と常につながっており、知りたい情報や見たい情報はいつでも探し出すことが出来るし、メールやSNSで常に誰かとコミュニケーションを取り合っている。とても便利で、とても手軽な武器を一度手に入れてしまった俺たち20代は、もうそのライフスタイルを変えることができない。

一方で、今では切っても切れ離せなくなってしまったスマホだが、逆にそのスマホや常にデジタルとつながっていることが生きづらさを生み出しているということも有名な話。でもそんな世界から、自分だけ切り離すことはできない。常に誰かとつながっている状態は疲れてしまうが、仮に自分だけそこから離れてしまうと独り取り残されてしまう恐怖がある。恐怖までは大袈裟だったかもしれないが、不安にはなる。常にスマホから流れる大量の情報を気にしながら、取り残されまいと必死になっている。極端な話、みんなが一斉のせでスマホなどを手放してくれない限り、もうこのライフスタイルを変えることはできない。便利で手軽だけど、その反面生まれたストレスや疲れを感じる現代の中で20代独身は今、ジレンマのような状況に陥っている。

星野リゾートはこの状況に対して、「現代を休む日」というメッセージを伝えている。大量の情報を浴び続けることや、常に多数を意識し続けることが求められてしまっている現代を休むということは、今の瞬間、今の目の前にあるものだけに100%身を投じるということ。

つまり、本当の意味で休むことができないという(潜在的な)悩みや不満を持つターゲット:20代独身に対して、星野リゾートは休む機会を価値として提供しているのではないだろうか。

それは星野リゾートの情緒ベネフィット「真の解放感」を生み出す。

星野リゾート 自己表現ベネフィット

星野リゾートが生み出す「真の解放感」は、そこで起こる一つひとつの出来事の質を深くしていく。共に訪れた人をしっかりと見つめることで、相手を深く理解することができる。自分自身もしっかりと見つめ直すことで、素直な気持ちに気づくことができる。現代からの解放は、それまで感じることのできなかった心の動きや今まで見えなかった景色に気づく機会となる。そして、誰にも邪魔されない時間の共有体験は、共に訪れた人との固い絆を生み出していく。

星野リゾートの自己表現ベネフィットは私たちだけの空間で私たちだけにしか分からない時間の中で、深く固い絆を結ぶ私たち」。

ホテル・温泉旅館:星野リゾートのベネフィットフレームワークから見えてくること

アウトプットしてきた商品ベネフィットをベネフィットフレームワークにまとめる以下だ。

ベネフィットフレームワーク:星野リゾー

今回は多少Taikiの若者論を入り交えて20代独身をターゲットとした星野リゾートのホテル・温泉旅館の独自のブランドポジションを事例としてアウトプットしている。

そして、俺たちがブログで生み出す事例の価値は2つ。

  1. 事例は、自分にはない物事を見る新たな視座を増やし、新しい価値を見つけ出す可能性を与えてくれる。
  2. 事例は、アレンジすることでビジネススピードや初速を上げてくれる。

冒頭でも触れたが、Taikiは昭和に憧れる。生きたことはないが、あの時代の方が人とのコミュニケーションの間に義理や人情、温かみがあるように感じるからだ。今、友人と会うときは、時間や場所を改まって決める必要もなく直前にぱぱっと連絡をとれば集合することができる。さらには、会うか会わないかも曖昧にしたまま進んでいく場合もある。恋人とのデートも、連絡するタイミングやデートの日にち、行く場所など、全てが気軽に決められるようになった。人と会うだけではない。誕生日にはSNSでスタンプを送り、正月には「あけおめ!ことよろ!」のLINE、友人が結婚したことをFacebookで見ればいいねを押す。たったこれだけでコミュニケーションが成立してしまっている。

昔は友人と会うときは、日にち、場所、時間を前もってしっかりと決めておかなければ永遠に会えなかった。恋人に電話で連絡したいときは、そのご両親が受話器を取ったときのことを想定した対策も考えていたであろう。祝い事の際には、実際に会い、面と向かって気持ちを伝えていたであろう。

もちろん今、便利で気軽に変わったからといって、そこに気持ちがないということではない。しかし、以前よりも人に対して、想いを込める時間が減り、人の気持ちは見えづらくなってしまったんじゃねえかな。そうなって生まれてきた現代のニーズが、不便益なのだとTaikiは思うんだ。手間暇かけたことによるワクワク感(自分で育てた野菜を子どもは美味しく感じるなど)、便利さを外して手間をかけることで生まれる温かみや愛着。一見不便で無駄な時間こそ、人の気持ちがこもる大切な時間として改めて価値を帯びてきたんじゃねかなあ。つまり、時代の変化やテクノロジーの進歩に伴い、便利で手軽になっていく反面、その背景で発生する反作用的なニーズが必ずあるということだ。「LINEで感謝を伝える」または「手紙で感謝を伝える」。概念的には同じ「感謝を伝える」という行為でも、圧倒的に温もりや質の深さが異なり、そこに人の心を本当の意味で動かすドライバーが眠っていたりする。

反作用的に発生するニーズに思考を巡らせる

これからも、より便利で手軽な道へと進む世の中の潮流は変わらないだろう。様々な領域にデジタルが組み込まれ、今まで当たり前だったことが崩壊し、新たなビジネスモデルが生まれていく創造的破壊のイノベーションは加速していく。その反面、人の感情を動かすことの本質に「温かさや質の深さ」があり続けるとするならば、時代と逆行するような反作用的なニーズも生まれ続けるだろうよ。

このニーズは、なかなか表に出てこない潜在的な可能性が高い。つまりその市場にはまだプレイヤーが少なく、独自のブランドポジションを築くチャンスが大いにあるんだぜ。星野リゾートは、現代から離れさせる圧倒的な非日常の仕掛けを通して、「休めなくなった」という反作用的に発生しているニーズを解決し独自のブランドポジションは築いた。重要なのは、時代の流れに乗るだけでなく、その背景であんなことやこんなことも起こるのではないかという想いや思考を巡らせていくことだ

最後に

今回もお疲れ。俺たちTaiki&Jumpeiの記事、そしてアウトプットした事例はどうだい。

Taiki&Jumpeiこんな具合に俺たちの主観的な考えも交えながらアウトプットしてくからよ!

だから俺たちのアウトプットはみんなに見て欲しい。そしてディスって欲しいと思っている。それが俺たちのスキルアップの根源となって、このブログの質をどんどん上げてみんなのためになる好循環を生んでいくんだぜ。

俺たちはみんなのディスりを愛として受け止めていくし、共に高めていくスタンスで挑んでいくからよ。俺たちが考え出したアウトプット事例をすぐに見てやる!という方は読者登録Twitterへのフォローを夜露死苦お願いするぜ!

みんな、たまには旅にでも行ってリラックスしてくれよ!引き続き夜露死苦な。